おじいこの薬ケース、もう20年以上使っとるんじゃ。これじゃなきゃダメなんじゃよ
父がリウマチの薬を飲み始めたのは、介護が始まるずっと前のことです。その時に手に取った100均の白いプラスチックの薬ケース。気づいたら20年以上使い続けていました。
白かったはずのケースは、いつの間にか薄い茶色に。手の油が染み込んで、スポンジで洗っても元には戻らない。でも父はそれを誇りにしていました。
開け閉めの感触、手のひらに収まる大きさ、蓋を閉める時のカチッという感じ。20年かけて手が覚えた力加減がそこにある。きっと全く同じ新品を買ってきても「違う」と言っただろうと思います。
それでも私が新しいものを探し始めたのは、リウマチで指先が麻痺してきて、「開けにくい」が「開けられない」に近づいていたからです。この記事では、まず100均を見に行って、それからAmazonで選んだ理由をお伝えします。
まず100均に行ってみた
ダイソー、セリア、レモン。どこに行っても似たようなものが並んでいます。父が使っていたものとほぼ同じ形のものが、110円で手に入る。使ってみてわかった4つの惜しいポイントを正直にお伝えします。
① 仕切りが小さくて薬が入れにくい


1マスが小さく、種類が多いとギュウギュウ詰めになります。指先の力が弱い方には、この仕分け作業が大変。
② 開ける取っ手が小さすぎる
爪で引っかけるか、つまんで開けるタイプがほとんど。リウマチで指先が麻痺していると、このひと動作がかなりきつい。
③ 全部同じ色で曜日の区別がつかない


父がよく言っていました。「あれ、薬飲んだっけ?」。ケースが全部同じ白だと、飲んだかどうかも、今日がどこかも、パッと見でわからない。朝・昼・夜が色で分かれていれば、ケースを見るだけで「飲んだ・まだ」が自分で確認できます。認知能力が落ちてきた方ほど、この視認性の差が大きく効いてきます。
④ 入れる作業が取り出すより大変


うちでは、在宅の作業療法士さんや看護師さんが来てくださる日に一緒に仕分けていました。でも入れにくい構造だと、それでも時間がかかります。
薬管理の基本ステップ(知っておくと選びやすくなる)
薬ケースを選ぶ前に少し整理しておくと、選びやすくなります。
基本は「1回分ずつ仕分ける」こと
朝・昼・夜を事前に分けておくだけで、飲み忘れや飲み間違いがぐっと減ります。これが一番効いた工夫でした。
薬の形態で管理方法が変わります
- シート(PTPシート)のまま → カットして仕分けるか、袋に入れる
- 一包化された袋 → 袋ごと入れられるケースが便利
- バラの錠剤 → マス型のケースに直接入れる
「一包化」という選択肢もある
薬局に相談すると、1回分をまとめて1袋にしてもらえることがあります。父も途中からこれを利用していました。費用がかかる場合もあるので、薬剤師さんに確認してみてください。
おすすめ薬ケース
開けやすい薬ケース
父が使っていた100均ケースの一番の問題は「開け方」でした。がま口のようにつまんで開けるタイプは、指先に力が入らないとかなりきつい。そこで選んだのが、上から押すだけで開くボタン式のケースです。指先を使わなくても、手のひらで押せば開く。月〜日が色分けされているので、今日の場所が一目でわかります。1日1回服薬の方向けです。
100均が100円なら、これは898円。8倍の値段です。でも父の手には、この差が大きかった。



これならリウマチの僕にも開けられそう!
1日2回(朝・昼)飲む方向けに、同じシリーズの2回用もあります。
視認性が高い薬ケース
曜日によって飲む種類が違う、朝昼夕で違う。そういう複雑な管理が必要な方には、一目でわかる構造のケースが助かります。朝・昼・夕の3回用で、1マスが大きめで仕分けしやすいタイプ。
1日4回(寝る前も)飲む方には、こちら。朝・昼・夕・夜の4つに分かれていて、1回分ずつ取り外して持ち運べます。
使い勝手が良い薬ケース
壁掛けタイプのお薬カレンダー。根強い人気があります。おくすり手帳や体温計なども一緒に収納できるのが便利です。ただ、うちの父には向きませんでした。ポケットに指を入れる動作が、麻痺のある手ではうまくできなかったので。



合う・合わないは人によるので、父に合わなかったことも正直に書いておきます
外出が多い方には、持ち運びできるコンパクトタイプも。内ケースが親指一本で開け閉めできる設計です。デイサービスや通院のお供に。
番外編・薬関係の便利グッツ
薬をシートから取り出せる「トリダス」



これは革命じゃ!
父がそう言ったのを、今でもよく覚えています。声に張りがあって、本当に嬉しそうだった。
リウマチで指先が麻痺すると、PTPシートから薬を押し出す動作がとてもつらくなります。親指に強い力が必要で、できなくなると薬を自分で出すことができない。
「トリダス」はホチキスのような形の道具で、シートをはさんで握るだけで薬が出てきます。指先の力がほとんどいらない。
父はこれが来てから、薬を自分で取り出すところまで一人でできるようになりました。作業療法士さんや看護師さんが来てくださる日に一緒にケースに仕分けて、あとは自分でトリダスで出す。「僕にもできることあるよ」と、すごく嬉しそうにしていました。
弱い力でも薬がポンポン出てくるのが楽しかったみたいで、本当に生き生きしていた。あの時の声を今でも思い出します。
同じ用途のPRO版もあります。
薬を半分に割る「ピルカッター」
大きめの錠剤やサプリを半分に割りたい時に便利です。Amazonで月3,000個売れる人気商品で、薬局では売っていません。
まとめ
父が20年使い続けた100均の薬ケース。あれが悪かったわけじゃない。でも体の状態が変わったら、道具も変えていい。
開けやすいケースに変えて、トリダスが来て、父は「自分で薬が飲める」に戻りました。それは小さいようで、本人にとってはとても大きなことでした。
薬ケース選びに迷っている方の参考になれば嬉しいです。








